すべてハンドメイドの一点もの、
ギャッベの魅力

株式会社it company
代表取締役
前田里志さん

M+ STAFF
赤間

「暮らしが変わる、私が変わる」をテーマに、
新しい自分に出会える、感性が磨かれる、毎日を楽しめる、
そんなきっかけをご紹介するM+のコラム。
今回はアドバイザーの赤間純一が、
ギャッベを取り扱う株式会社it companyの代表取締役、前田里志さんに話を聞きました。

僕は以前、inZONEのショップで7年ほど販売の仕事をしていましたが、前田さんのギャッベは当初から取り扱っていた記憶があります。

北海道に初めて営業に来たのは2011年3月。東京に帰る日に東日本大震災があったので忘れません。inZONEさんとはそれ以来、ずっとお取り引きさせてもらっています。

ギャッベはinZONEでもすごく人気がありますが、今日はその魅力をあらためて教えてもらいたいです。

ギャッベはペルシャ絨毯のルーツといわれ、遊牧民がテントを張るときに地面に直接敷いて床代わりに使っていたものです。くるくる丸めて馬で運ぶので「移動可能な床」といった感覚だったと思います。

鹿とか木とか、自然をモチーフにした素朴な模様がいいですよね。

鹿は家庭円満、羊や山羊は財産、樹木は命など、それぞれに意味があるんですよ。

生地が厚くて、すごくしっかりしています。

イラン南西部のシーラーズという町の周辺の山岳地帯で織られています。100％ウールの天然素材で、体にも自然環境にも優しいんです。というのも、ウール（羊毛）は刈ってもまた生えてくるから枯渇しない。自然に負荷をかけない素材です。

僕も小さい正方形のチェアサイズを2枚、持っています。ネコを3匹飼っていますが、心地いいのか、いつも場所のとりあいをしてますよ。特に冬はギャッベの上が定位置ですね。

ギャッベはペットや小さなお子さんのいるご家庭にもぴったりなんです。どうせ汚してしまうからと、化学繊維のラグを使う方もいますが、ギャッベは羊毛の脂を抜かずに染織するので水や汚れをはじきます。飲み物をちょっとこぼしたくらいじゃシミになりません。ウチにも5歳の子どもがいますが、ソファから飛び降りてもギャッベのラグは厚みがあるので音も響かない。小さなお子さんがいるご家庭こそ使ってほしいと思います。

ギャッベはどんなインテリアに似合いますか？

最初はシンプルな北欧インテリアと相性がいいというのでギャッベの人気が高まったのですが、クラシカルなお部屋にもしっくりきますよ。

いろいろな場所に使えますよね。車のシートに置いてもいいし、玄関マット、ベッドサイド、ダイニングの下に敷いてもアクセントになる。

インテリアって、どこかにちょっと違和感のあるほうが印象に残りますよね。合う合わないを考えるより、自分の気に入ったものを置いたほうが面白いです。

inZONEでは年に1回、ギャッベをたくさん揃えて展示会をしているので、ぜひ、お店で実際に触ってみてほしいですね。

僕らのコンセプトは「first choice」です。普通はソファを買って、テーブル買って、予算が余ったらラグを選ぶのが一般的ですが、そうじゃなくて、ラグから暮らしをデザインするのもいいんじゃないかと提案しています。

ラグに合わせてインテリアを選んでいくということ？

いいラグを一枚置けば、座っても寝てもいい。最近、話題のミニマムな暮らしにも似合うと思いますよ。

inZONEのショップでは、リピーターのお客さまが多いんですよね。まず小さいサイズのギャッベを買って使ってみて、すごく気に入って、リビングに敷く大きなラグを買うお客さまもいました。

靴を脱いで足を乗せたときのふわっとした感触は格別です。上に重いテーブルを乗せてもへたりません。湿度の高いときは湿気を吸って乾燥すると戻す、呼吸しているような感覚があります。

夏も意外とサラッとしてるんですよね。

夏場に寝っ転がっても蒸れたりベタついたりしません。逆にひんやり感じるくらい。一年通して使えますよ。